「母イノシシは2度と来ることはありませんでしたが、母イノシシと一緒だった1番下のうり坊は2、3週間おきに来ていました。」

「なぜ1番下のうり坊が来ていることがわかったのですか」と町会長。

「後ろ向きで進めば、LEDライトがあっても進入できることを発見したうり坊に、ご褒美として、西側の通路には侵入できるように、手を緩めておいたのです。」

「なるほど」と町会長。

「それに加えて、1番下のうり坊は、忌避剤入りの湯飲み茶碗があると、必ず蹴散らすという習癖があったのです。」

「なるほど」と町会長。

「それで、今年の1月ごろまで1番下のうり坊が来ていたのを確認しています。」

「それ以降は1番下のうり坊が来ることはなかったのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。1番下のうり坊は、西側の蔵と茶室の間の孟宗竹を何度も乗り越えています。」

「孟宗竹は、イノシシにとっては強い陰なのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。猫も孟宗竹は嫌うので、四つ足の哺乳類には陰なのだと思います。」

「『四つ足の哺乳類には陰』と言いますと?」と町会長。

「実は、僕が設置した孟宗竹の上に猿が座っているのを見たことがあるのです。」

「孟宗竹は、猿にとっては陽だということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それでは、1番下のうり坊は、西側の蔵と茶室の間の孟宗竹を何度も乗り越えたために、体力が低下して死んでしまったとお考えなのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。生まれて間もないときには、うり坊の腎の機能が高いので、孟宗竹に触れたとしても、親イノシシが感じるような不快感はないと推定しています。」

「なるほど」と町会長。

「しかし、経絡は急激に進んでしまうので、成長に伴って腎機能が低下すると、虚弱な体質になってしまうはずです。」

「虚弱な体質では、自然界では長生きできないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2021/11/4

<水道後記55>
卓上万力で固定したステンレスパイプを、パイプカッターで挟んで回しながら切断するのだが、1本切断するのに40分程かかった。切り口は鉄鋸で切った場合と比べるときれいだった。鉄鋸で切った場合、バリと呼ばれるささくれを鉄鋼ヤスリなどで取らなければならないが、バリを取ってもこんなにきれいにならない。

数日後、同じようにステンレスパイプをカットしようとして頑張ったが、どうしても切れないかった。替刃を探してみたが見つからなかったので、鉄鋸で切ることにした。ステンレスパイプは鉄鋸で切ったことがあるので切れることは知っていた。しかし、切断に時間がかかる。切断面もきれいではない。しかし、どこまで切れているのか目で確かめながら切ることができる。そして、確実に切ることができるのだ。

ステンレス用の刃が売っていたので購入して使ってみた。1本カットするのに50分、バリ取りに10分程かかった。鉄鋸で直径3センチほどのステンレスパイプを切断したことがあるが、3,4時間かかった記憶がある。ステンレスパイプは手ごわい。<続く>

2024/10/21